河下 水希
集英社 刊
発売日 2005-12-02
不覚にも感動した。
本当は、前巻までの真中淳平の優柔不断・自己中心っぷりを見せられて、果たして作者が自らの言う
「それぞれのキャラクター達が希望を抱いて未来へと歩いていける結末」を描き切れるものか不安だった。
第1話を読んだ時は東城綾と結ばれる結末を疑わなかった。
女の子たちの間で揺れ、彼女たちを傷つけながらも東城を選ぶ、
この確信に疑いを持ちだしたのは最終巻を前にした数巻。
しかし、実は私が気付くずっと前から、彼らはそれぞれに成長していたのだ。
東城との決別の際に思い出す、中学時代に彼女と夢を語り合った光景。
卒業式で東城が読み上げる答辞と、高校三年間の、そして映像研究部の想い出。
それぞれの事情やタイミングで、事態や関係が変わっていく。
高校卒業までという長い期間の連載は時に、グダグダに感じたこともあった。
そんな日常も間違いなく、彼らを成長させ、関係を変えていった。
1つのハッピーエンドに向かって突き進むのではなく、
いくつものハッピーエンドへの可能性を残し、しかし最後に選ばれるのは1つだけ。
だからこそ、『いちご100%』はある男女の、中学から高校卒業までの成長を描いた物語、だと思えた。
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