河下 水希
集英社 刊
発売日 2008-07-04
先日、本誌で最終回を迎えた「初恋限定。」の3巻。
恐らくもう少し続けば1年生5人や上級生のみんなが表紙になってだろうに。惜しい。
この3巻からは一話完結ではなく、続き物のエピソードが増えてきた。大体2〜3話くらい。
一話ものでも十分面白いが続き物は続き物でまた違った楽しみがある。
世界観を共有したオムニバスという特徴を活かした構成だと言える。
「チョコレート・ボマーの憂鬱」はキャラが多く登場するため、やや複雑になってる部分もあるけど
基本的にシンプルな漫画なので、キャラの心情を追いかけていけば十分楽しめると思う。
例えば、今まで完璧超人だった山本さんが見せる悩みや不恰好な部分が味を出してたり、
かと思えば別所兄や財津弟のかもし出す切ないオーラが物悲しかったり。
教室で、ずーっと山本さんを待ち続ける別所兄はちょっと切ない。
また「コノハナサクヤ」という、千倉のエピソードがあるのだがこれがまた鉄板の出来。
オチも予想通り、というかそのまま展開した感じだったり驚くシーンも全くない、
ある意味淡々とした話なのだが妙に胸に残る、ほのかな感動を受けた。
最後に桜の花びらが散っていくシーンは本当に好き。
河下水希の表現力は、この作品で増した気がする。シンプルな話、シーンを印象的に描くのが上手くなられてるような。
ただ、とはいってもこの作品は短期で終了してしまったので、自分と同じ印象を持つ人がどのくらいいるのかは未知数だが・・・。
しかし、やっぱり後半のギャグ多目の短編も含めてとても可愛らしい、ほっこりするような作品だと感じました。
でも今回のMVPは何気に曽我部くんな気が。「コノハナサクヤ」に於ける彼の心情はやたらシンパシーを感じるな・・・。
男性キャラも何気にいい。
あとスクエアに載ってた「曽根崎心中!」を読んでも思ったが、やはり自分は河下水希の女性ならではの恋愛表現が好きだと思った。それを少年誌で読めて嬉しかった。
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